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DISC1-5 緑屋CMソングⅠ「みどりやの唄」 懐かしのせんだいCM大百科デジタルブックレット

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今回は2007年発売「懐かしのせんだいCM大百科」の2023年復刻版ご購入者様向けのデジタルブックレット第4回です。

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☆デジタルブックレットに関する詳細は第1回のこちらのブログをご覧ください→DISC1-1「丸光ミュージックサイレン "荒城の月"」懐かしのせんだいCM大百科デジタルブックレット - せんだいCM特捜隊オフィシャルブログ

 

緑屋CMソング

「みどりやの唄」

制作年/昭和36年

作詞/野坂昭如 作曲/いずみたく

歌/北野路子

コーラス/ブラック・キャッツ

 


緑屋*1は「月賦(ローン)で買い物ができるデパート」が売りであった。当時、「クレジットの丸井・ノートリングの丸興・ライフアップ大丸」と共に「ホームビルの緑屋」として四大月賦百貨店と呼ばれていた。いわばクレジットカード社会の先駆け的存在。歌詞に「500円で5000円のお買い物」とあるのはそのことから。

緑屋は東京が本拠地で、最盛期には丸井よりも店舗数が多かったようだ。当時は他の月賦百貨店が関東地区のみの出店だったのに対し、緑屋は唯一北海道や東北地方に出店を行っていた。

宮城県では、まず1952年(昭和27年)に仙台名掛町店がオープン。その後1959年(昭和34年)に仙台東一番町店が開店。その後1967年(昭和42年)に仙台駅前店も開店するが「みどりやの唄」の制作年から前者2店舗が栄えてた1960年代前半にラジオや街頭放送で流れていたのだろう。

作詞の野坂昭如*2氏は当時、三木鶏郎主宰のテレビ工房に所属していたが同じテレビ工房の作曲家いずみたく氏と共に独立しコンビを組み、コマソン制作を行っていた。この曲もそのうちの1つだ。歌手の北野路子とコーラスのブラック・キャッツ*3のコンビも当時多く見られた。

ちなみに、放送局初のイメージソング「OBCソング(ラジオ大阪)」は、この「みどりやの唄」と全く同じ制作者・歌唱者である。作詞のみ不詳だがCM大百科Disc1-22の「寿の三色最中本舗CMソング・旧」も同じだ。

また、いずみたく氏の事務所「オールスタッフ」が公式YouTubeにも「みどりやの唄」を投稿しているがこちらはバージョン違い。是非聴き比べていただきたい。

いずみたく作曲「緑屋 みどりやの唄/緑屋ピクニック」 - YouTubehttps://youtu.be/WPb5e71cg2Q?feature=shared

 

取材・文/伏谷宏二、堀越啓太

 

*1:緑屋は業態と社名を変更し、クレジットカード会社のクレディセゾンとして2023年(令和5年)現在も残っている。

*2:野坂昭如 昭和5年(1930年)〜平成27年(2015年)「火垂るの墓」作者として知られる。昭和30年に三木鶏郎音楽事務所の事務員となる。CMソングの代表作として「キャンロップ」「伊東に行くならハトヤ」「文化放送QRソング」がある。また、童謡の「おもちゃのチャチャチャ」も野坂氏の作詞だ。

*3:ブラック・キャッツ 横山悦子、西田滋子、武山昌代の3人によって結成された。服部リズムシスターズが前身。コマーシャルソングを中心に、歌謡曲も歌っていた。